「菊谷節子」さん(73歳)が11月30日午前0時21分、間質性肺炎のため青森県弘前市の病院で死去されました。
葬儀に当たる告別祭は9日午前11時から青森県鰺ケ沢町本町209の2の鰺ケ沢町山村開発センターで。
喪主は長男忠光(ただみつ)氏。
鰺ケ沢町で焼きイカ店を営みながら、捨て犬だったわさおを拾い、育てた「菊谷節子」さん。
インターネットで紹介されたわさおは「ぶさかわ(不細工だけどかわいい)」と人気を博し、
写真集や映画「わさお」も製作されました。
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毎朝8時軽トラの荷台に乗って七里長浜きくや商店に出勤。
隣にある犬小屋“わさおの家”で、奥さん犬のつばきとともにのんびり過ごす。
「わさお」と「菊谷節子」さん、そして犬猫たちの関係は、人とペットというのとはちょっと異なる。
ベタベタしないし、猫かわいがりもしない。
そのかわり、朝から晩までいつも一緒。
いわば、相棒同士といった存在だ。
「わさお」との関係をこんなコメントで残しています。
「わさおを飼うまで、秋田犬を育てたことがなかったの。だけど、とにかく(同じ秋田犬の)ハチ公が大好きで、オヤジより好きだったの(笑)。そしたら最後にこういうふうに、秋田犬と巡りあわせてくれた」
「命あるものは最後まで面倒見るのが人間として当たり前でしょ? 私はいいことしているとは思わないよ、当たり前のことをしているだけだ。動物は自分の子どもと同じ。自分の子どもと思って飼わなくちゃ、だめなんだあ」
「菊谷節子」さんの元で暮らす犬猫は、本当に幸せですね。
「菊谷節子」さんには怒ったことがない「わさお」ですが。
そんな「わさお」が1度「菊谷」さんに本気で怒ったことがあります。
それは2014年「菊谷」さんが肺炎で入院したときです。
この時「また捨てられた」と勘違いした「わさお」は10キロも痩せてふさふさだった体毛が抜け落ちてしまいました。
退院して帰ってきた「菊谷」さんが“わさお、わさお!”と呼びかけても、やって来ようともしない。
「“俺のこと、捨てたんだろう!”って、散歩に行っても後ろ向きになって来ないの。だから“わさお、おまえを捨てたんじゃないんだよ。ばあちゃん、肺を悪くして入院していたんだよ”って。そう言って2週間ほど散歩させたら、ようやっと来るようになったな」
人間と犬の関係も、おそらく人と人の関係と変わらないのですね。
そんな「わさお」は決しておとなしいとは言えない犬です。
「菊谷」さんの旦那さんには今でも唸るし。
観光で「わさお」を見にきた人が犬小屋に近づくとしばし唸る事もあります。
ほとんどの人たちには、撫でることさえもさせません。
でも2011年の東日本大震災の被災者慰問では、
100人以上の子どもたちに撫でられ続けても、うなり声ひとつ上げなかった。
今でも身体の不自由な人が店にやって来ると、痛んだ部分をやさしくなめて慰める。
ライオンのように強く「人に媚びない」気高さを持ちながら「傷ついた人・苦しむ人」にはこのうえなくやさしい。
このグッとくるほどカッコいい犬には、誰しも引きつけられてしまいます。
そんな「菊谷節子」さんのお店には「グレ子」という猫がいます。
その「グレ子」も今年旅立ってしまいました。
今頃天国で「グレ子」と再会して撫でているのかな?
「グレ子」が亡くなった時のインタビューで、
「わさおとの別れのことはまだ考えてもいないけども、今まで犬を40年近く育ててきて犬にも猫にも、1日1日、自分のできることを精いっぱいやってきたの。犬たちにエサをやらなきゃならないから、店だって365日、休みなんかない。私、温泉旅行にも行ったことないんだよ。
そんなふうに自分のできることはヒタヒタになるまでやってきたから悔いはない。だからその時が来たとしても、悲しくはないの」
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最後に
今年「そんなわさおとも、いつかは別れの日がやって来る」と言ってた「菊谷節子」さん。
まだ73歳なのに「わさお」を残して先に旅立ってしまった。
お母さんを亡くした「わさお」は今悲しみで一杯です。
「わさお」は今「今まで愛してくれてありがとう。」と思っていることでしょう。
そして日本中の動物を愛する人達からも「お母さんありがとう」とコメントが殺到しています。
これからも天国から「わさお」を見守ってあげてください。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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