あなたは「君たちはどう生きるか」をご存知でしょうか?
この本は80年前に吉野源三郎さんが書いた児童書です。
戦前に書かれたこの本が何故今注目されているのでしょうか?
発売から3か月あまりで70万部を突破したベストセラー。
その秘密をちょっとご紹介してみます。
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「君たちはどう生きるか」あらすじ
先ずはこの本のあらすじを簡単にご説明します。
物語の主人公は、中学2年生の「コペル君」。
そんな「コペル君」の悩みにアドバイスする近所に住む「叔父」さん。
叔父さんは「コペル君」の悩みに、さまざまなヒントをノートに書いてくれます。
いじめなど、学校で起きる出来事に、どう向き合うか悩む「コペル君」。
親友「ガッチン」から「上級生に目をつけられている」と相談を受けたコペル君。
「ガッチン」を1人にせず、上級生から守ると約束します。
“絶対に逃げずに、みんなで戦う…。約束だ…!!”
しかしある日「ガッチン」が上級生に殴られているのを見ても、一歩も動くことができませんでした。
コペル君は、自分を恥じて学校に行けなくなります。
“僕なんて、死んだほうがマシなんだ…。”
苦しむコペル君に、叔父さんはメッセージを送ります。
“コペル君、いま君は、大きな苦しみを感じている。
なぜ、そんなに苦しまなければならないのか。
それは、コペル君、君が正しい道に向かおうとしているからなんだ。
「死んでしまいたい」と思うほど自分を責めるのは、君が正しい生き方を強く求めているからだ。”
この「君たちはどう生きるか」が書かれたのは、日中戦争が始まっていた時代。
先行き不透明な今の時代と、戦争に向かっていた当時の不安定さに重なる部分があるからではないか?
吉野さんの日記には、
“そんな時代だからこそ、子どもたちに考えることの大切さを知ってほしかった“
“自己と直面していることに対して、眼をそらさないこと、黙って戦い抜くこと“と書かれています。
この昔の児童書が、なぜ今、人々の心を捉えるのか?
この本を読んだ方の感想にそのヒントが隠されている。
🔴「自分が今まで悩んでいたのは、正しく生きようとしていたから。
悩んでいた自分は、別に間違いじゃなかった。」
🔴「もう一度、自分の生き方を見直すきっかけになった」
🔴「“力のないエリート”が、いま増えている、日本中で。
いろいろ分かりたいし、分かっているけど、自分に何ができるかにつながらない。
“これから君どうするの”って、問いかけられている。」
🔴「いい大学を卒業して、大企業に勤めて定年まで働くとか、ひとつの正解みたいなものが崩れてきているんじゃないか。
そもそも何をしたいんだっていう、根本の部分から問いかける本だったので、自分の中に刺さった。」
🔴「『君たちはどう生きるか』は、私の年代になると、『君たちはどう死ぬのか』と意味が同じ。
自分は死ぬときに後悔なく死ねるんだろうか。
また、そういうふうに、いま生きているんだろうか。」
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最後に
この本は“君たちはどう生きるか”という問いかけで、どう生きたらいいという答えはどこにもありません。
答えがないのは“それを自分で考える・自分で人生を考え直してみる“提言書だから。
悩み、考え抜いた「コペル君」が一歩を踏み出し走り出すラストシーン。
そのラストシーンにメッセージが添えられています。
“最後に、みなさんにおたずねしたいと思います。君たちは、どう生きるか。”
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